火災保険で外壁塗装費用が安くなる? 補償条件と注意点を解説!

火災保険で外壁塗装

外壁塗装に火災保険が使えること、ご存じですか?

マイホームはよく「人生で一番大きな買いもの」といわれていますよね。土地選びから、ハウスメーカー、間取り、壁紙などの細部に至るまでこだわって建てられた大切なご自宅も、月日の流れには逆らえません。安心安全に暮らし続けていくためには、メンテナンスが欠かせませんよね。

一般的に、外壁塗装をするタイミングは築10年前後、費用相場は30坪の戸建て住宅で60~100万円ほどといわれています。大きな額なので、少しでも安く済ませられると助かりますよね。

そんな時に頼りになるのが、火災保険です。実は、火災保険は火災による建物の損害だけでなく、自然災害による屋根や外壁の被害を補償してくれる場合があります。受け取った保険金には使い道の指定がないため、外壁塗装の費用に充てることもできるのです。

築年数が経過した建物であれば、何らかの自然災害による被害がある可能性が高いのですが、火災保険を利用することを提案するリフォーム業者は少なく、知らずに自費で外壁塗装を行ってしまう方が多いのが現状です。外壁塗装を検討されている方は、まずは火災保険が使える被害がないか、専門業者へ調査を依頼することをおすすめします。

火災保険での外壁塗装補償の条件

外壁塗装費用が火災保険で補償されるかどうかは、保険会社や保険の内容によって異なるため、契約書をよく確認することが大切です。外壁塗装に火災保険を適用するためには、以下の3つ条件に当てはまる必要があります。

① 被災から3年以内の申請であること

火災保険が適用されるのは、申請から3年以内に受けた損害についてのみなので、4年前の台風といったケースでは適用されないので注意が必要です。既に自費で工事を行っていた場合、3年以内であれば工事の請求書をもとに保険金を申請することができます。その場合、自然災害によるものかどうか被害状況の確認が難しくなるため、注意が必要です。

② 外壁や屋根の破損が災害によるものであること

火災保険の補償の対象となるのは、火災もしくは風災(台風)、雪害(豪雪)、豪雨、雪・雹(ひょう)などの自然災害などで突発的に起こる破損です。洪水や高潮などの水害まで補償されるプランに加入している方は火災保険加入者の2割以下と少なく、地震による火災や破損は地震保険での補償対象となるため注意が必要です。

③ 補修にかかる費用(見積もり)が火災保険の免責金額を超えること

火災保険には、免責金額という基準となる金額があり、その金額以下の補修は自己負担で行わなくてはなりません。この免責金額を下回った補修工事の場合、火災保険は適用されないため要注意です。火災保険の免責金額は、一般的には20万円ほどとされています。
また、経年劣化や害獣による被害、業者による施工不良なども、火災保険で賄えないケースとなるため、注意が必要です。

火災保険で外壁塗装費用を補償する際の困難

火災保険で外壁塗装費用を補償するハードルとして、以下の2点が挙げられます。

① 個人での申請が難しい

自然災害による被害が発生した場合、被害を見つけること、また被害原因の特定や書類作成が困難なため、申請のハードルが高くなります。

② 支払いまでに時間がかかってしまう

保険金の支払いは原則として請求後30日以内に行われることが決まっていますが、鑑定人による現地確認が必要なため、最長で3ヶ月程度かかる場合があります。

また、大規模な台風など、自然災害による被害が広範囲に及んだ場合には請求が集中するため、請求内容の確認に時間がかかり、支払いが遅れることもあります。

外壁塗装に火災保険を使う前に知っておきたいこと

外壁の補修が必要となった場合、まずは現在加入している火災保険の補償内容を確認することが大切です。その上で、すぐに外壁塗装を実施するのではなく、火災保険を利用しての外壁塗装が可能かどうかリフォーム業者や塗装業者などの専門業者、保険会社に事前に確認を行います。

外壁の破損が災害によるものか、被災から3年以内か、補修の見積もりが火災保険の免責金額を超えるか、という3つの条件をクリアすることができれば、外壁塗装に火災保険を適用することができます。

申請の流れとしましては、以下の通りになります。個人での申請は難しいため、専門業者や保険会社に相談しながら進めることが大切です。

  1. 専門業者による破損箇所の確認
  2. 専門業者による見積書の作成
  3. 保険会社に申請をし、必要書類を提出する
  4. 鑑定人がご自宅の被害状況を確認し、受給の可否や補償金額を決定する
  5. 保険金が支払われる

外壁塗装に火災保険を活用することで、大切なご自宅のメンテナンスに役立てることができます。専門業者や保険会社に相談しながら、費用を抑えつつ適切な外壁塗装を行いましょう。